散歩道:銀座の「巷房」



銀座一丁目の「巷房」[http://www.spinn-aker.co.jp/kobo.htm]というギャラリーに行ってきました。生まれてこのかたアートギャラリーというものとはまったく縁のない生活をしてきましたが、あるきっかけで小学生時代の幼なじみがいまや画家さんであることを知り、勇気を振り絞って古い雑居ビルに踏み入れてみました。目指すギャラリーは建物の3階でしたが、上記の写真であるように、まずは建物そのものに感激しました。銀座のど真ん中とは思えない静けさにつつまれて、うす暗くて怪しげで美しい空間でした。この巷房以外にも色んなギャラリーがあって、本当は数時間ウロウロしたかったのですが今日は寄り道だったので目的地のみの散策となりました。

この巷房、ですが、私の浅い理解では独立系のアーティストが展覧会を開催するところです。展示されるジャンルも様々で、平面の他にもインスタレーション、写真、立体、テキスタイル、ガラス、セラミック、等々。私が本日会いにいったのは小森琢己さんで、ジャンルは版画(3月14日まで)でした。私は恥ずかしいくらい絵については素人ですが、綺麗な絵を少しの間、眺めることができて嬉しかったです。元気が出る絵が好きです。氏も私のぎこちない挨拶にも関わらず気さくに話してくれて、ケイスケ君は長いこと会社に努めていて立派だなぁ、と真顔で褒められ、穴に入りたくなる。全然そんなんじゃないのに。すごいなぁ、ステキだなぁと口にしていると、好きなことに時間を使えるから幸せです、とストレートをくらう。説得力を持って言える人は、少ない。静かな貫禄を感じました。

この世界で何が普通なのかは分かりませんが、大体2年に一度のペースで展覧会をするのだとか。そして、版画の原盤は事前に決めたプリント数をすった後は、処分してしまうんだとか。いわゆる音楽活動、ライブ活動と重ねながら話を聞いていると、へーとかふーむとか、とにかく終止ウムムと考えさせられるひとときでした。

ヒケ