Black Box Broadcast Vo.4 あとがき

4回目を迎えたBlack Box Broadcast、ようやくイベントの空気も安定して参りましたね。
練習用の貸スタジオでこっそり、のはずが結構勝手知ったるな感じで、何とも言えず心地の良い空間に仕立て上がってます。とはいえ、毎回「やってみなければ分からない」ところがないと気が済まない人間の集まりですから、ふと気付くと、ああ、こういうことだったのかと今更ながら気付く点も多々、でございます。

今回はゲストミュージシャンとして、絵描きでもあり、実は人気漫画家でもあるアニュウリズム君をお迎えして、
ご来場の皆様も含め童心にかえって落書きし放題の場とさせていただきましたが、こちらの不安をよそに皆さんかなり熱中していただけたご様子でしたね。素敵な作品がたくさん生まれました。なにより嬉しかったのは、皆さん傍目を気にするでもなく奇を衒うでもなく、ただただ真剣に思うがままに描いて、結果でき上がった訳の分からないものをああだこうだ言い合って、とにかく楽しそうだったこと。とかく表現て言葉は個人の世界観がうんやら面倒くさいものに包み上げられてしまいがちですが、結局ああやってコミュニケーションの場にさらされて初めて意味を持つのだなと、ちょっとほっといたしました。
そもそも映像配信が云々とか、いろいろ企てもあったこのイベント、開けてみればブロードにキャストするどころかかなりナローなアットホームさを醸し出している現状ですが、思えばブロードキャストという発信者と受信者の断絶が実社会における架空のパノプティコンを生み出し続けている(いまだに)現実にあって、お茶の間を模した会場セットを目の前に崩壊したブロードキャストを曝し続ける馴れ馴れしさは、意外と感慨深いものだなと、独りごちてしまいました。この感覚は残念ながら今日のライブハウスでは味わえませんね。

ホームな感じも手伝ってか、今回はブラックボックスメンバーも含めてかなり充実度の高い演奏内容でした。
個人的にはこれまで何度か拝見してきたアニュウ君の演奏が、あの場の空気ではじめて身に迫るものに感じられたこと、ヒナミさんケルト語の軍歌が聴けたことなど、喜びの多い一日でした。
一つ難をあげるとすれば、せっかく苦労して作ったサンドイッチがはけきらなかったことくらいですかね。
来月も頑張るから、皆さん遊びにきてくださいねー。

悪文担当 市野