2009年冬のライブツアー

ここ数日様々な場でライブを見る機会が多かった。
この場でざっと振り返ってみたいと思います。


●1/22木曜日
@新宿Nine Spice 
料金1500円(実際はゲストで入れさせてもらったけど…)
お目当ては「押し絵と旅する人」 。彼らを見に行くのは二回目で過去に自分が実現したかったもの(演劇と音楽の融合)を形にしているバンドとしてとても興味がある。彼らのライブを見ると想像力をかき立てられて、いいことなのか分からないけど、あそこにこれを入れたいって思ったり、ここをもっとこうしたらいいなって思ったり、と普通のライブを見るときとは違う楽しみ方ができる。その後出ていた「freeride management」も個人的にはかなり楽しめた。ギターをアンプやスピーカー含めて4つの系統に分けて出力しているのだが、それがまるで二人以上のプレイヤーがいるような音になって耳に入ってくる。好き嫌い抜きにここまでやってくれるとお客的には十分楽しめるのだ。

かなり見応えのある日だったのにフロアーにはお客は10人弱。。。一体どうしてなんだろうと、日本のライブハウスの現状を肌で感じた日でした。


●1/25日曜日
@渋谷Seco Lounge
料金2500円ワンドリンク込み
「Classical Wicket」を目当てに行った。彼らはDJと生演奏(Bass+Drums)という形態で活動をしているクラブ主体のユニットだ。生演奏用の場所ではなかったこともあって、残念ながらその特徴は形を潜めていたようであった。個人的にはもう少し生演奏を生かせるような方向の方が好みではある。しかし、作り込まれた彼らのトラック自体にはとても魅力を感じるので難しい。また見に行きたい。


●1/27火曜日
@渋谷Ruby Room
※この日のハコについてはレビューが載ると思うので省略


●1/29木曜日
@渋谷Trump Room
料金2000円
「Merblue」を見に行った。全員プロで活躍する方々なのでさすがの演奏。心地よいグルーブに会場の誰もが楽しんでいた様に見えました。ただ彼らを見ていて、プロのプレーヤー=個性をそぎ落として形を整えたもの、というのが率直な感想でした。特にボーカルの方は全く外れること無く正確無比な歌を淡々と歌っていた。皆とても楽しんでいただけに、私はどうも府に落ちないままライブは終わりを迎えてしまった。感情を込めて演奏するだけが音楽ではないですよね。そう自分にいい聞かせながら会場を後にした。


●1/29木曜日
渋谷駅前の路上
料金タダ
上記のイベントで腑に落ちないまま帰ろうとした所、駅前で馬鹿でかい音でジャズをやっている輩を発見。憂さ晴らしに見に行った所、半径5メートルくらいがかなりの熱気に包まれていた。演奏曲はSpainで編成はドラムとベースとサックスだった。決してきれいな演奏では無かったし、良い音でもなかった。しかし、その場には熱気があった。サックスは膝をつかんという姿勢になってきりきり言わせながらありったけの感情を込めて吹いている。ドラムもかなりやり手で小振りのセットに向かって体全体で体当たりしているような勢いだった。お客も軽く人だかりができるくらいはいて、行き来する人々が足を止めたり、私のように遠くでやっている音に反応して来るお客などが増え続けていた。

そうか、私が求めていたのはこれだったのか。この場だったのか。
一曲終わるごとに人だかりから歓声があがり、多くの人がフライヤーを手に取ったりCDを求めたりしていた。彼らは渋谷の街と人々と一体になっていたのだ。その熱気を帯びた、日本ではなかなか見ることのできない光景は、神々しく光り輝いて、爆音を夜の渋谷に放出し、やがて警察に止められていた。
しかし短時間でもそういった場を作り出す力を前にして、何か勇気付けられた気がして安心して家路に着いた。
こうして私の2009年冬のライブツアーは幕を閉じた。

ちなみにこのバンドは「Quartet Gau Dav」というらしく(普段は4人編成らしい)2/8にライブをやるそう。願わくば私は彼らを今一度ストリートで見たい。

Koki